移住者インタビュー男鹿入門09

更新日:2023年10月04日

第1次産業が盛んな場所だからこそできる暮らし

吉岡りな(よしおかりな)さん

岡山県倉敷市出身

 

専門学校への進学とともに東京に上京し生活を送っていたが、自分の生活スタイルを見直し2020年に男鹿市地域おこし協力隊に。3年間の活動を終え2023年10月に任期を満了する。

 

Q.いつから男鹿市民になりましたか?

2020年10月5日です。

 

Q.男鹿市へ移住した経緯を教えてください。

祖父の他界やコロナにより私自身生活スタイルを大きく見直すきっかけになりました。

東京以外での暮らしを考えた時に、いくつか候補がある中で母の実家でもある秋田県も候補として考えていました。

もし、秋田県に住むのであれば?と考え始め、ネットでいろいろ情報収集していたところ、有楽町に日本全国の移住相談できる場所『ふるさと回帰支援センター』があることを知りました。
 

はじめての移住相談へ

当時はコロナ禍で対面での相談が一時中止になっていたのですが、再開と同時に予約をし相談に行きました。
主に秋田県での仕事事情を聞き、履歴書があれば、持参するようにと言われていたので持参し、相談する中で求人票をいくつか見せてもらいました。

最後に「こういう働き方もあるよ」と教えていただいたのが、『地域おこし協力隊』という制度でした。

秋田県内でも地域おこし協力隊の募集はいくつかあったのですが、祖父母の近くに住みたかったこともあり、中央管内の募集状況を聞き、募集している場所が男鹿市でした。

帰り道、電車の中で秋田県移住・定住総合サイトである『秋田暮らしはじめの一歩』に掲載していた募集内容を何度も見直しました。

いろいろ求人票を見せてもらったのですが、地域おこし協力隊が気になり、男鹿市での生活をネットで検索。情報として出てきたのが男鹿市の協力隊が投稿するFacebookでした。

投稿を通して、楽しそうに活動している内容を拝見し、今までの仕事で培ったスキルを活かしながら働けるのではと考え、応募を決めました。
 

秋田移住オンラインツアー撮影の様子

Q.移住の決め手を教えてください。

いくつか住みたい場所の候補があった中、秋田にしようと決め手になったのは気候と食べ物でした。
きりたんぽ、だまこ餅、比内地鶏、横手焼きそば、いぶりがっこ、とんぶり、じゅんさい、ババヘラアイスなど昔から秋田の食べ物が大好きでした。

そしてもう一つ決定打になったのは、寒いということ。
東京での生活は、年々寒さを感じられなくなり、年末は実家ではなく秋田に行こうかなと考えることが年々多くなっていました。
 

コロナだけではなく、賃貸の更新のタイミングや転職を考えていたりと、すべてのタイミングが合う中で、採用通知もいただき、男鹿に行くことを決めました。

当時、友人には、「おばあちゃんも喜ぶんじゃない?」とよく言われましたが、3年前はコロナ禍ということや祖母が厳しい性格ということもあり、反対されるのはわかっていたので、仕事や住む場所が決まった後、行く数週間前に男鹿に住むからと伝えました(笑)
 

東京タワー

男鹿にきてから

Q.移住前に準備したことはありますか?

気になる事はすぐに調べる性格なので、ネット検索をたくさんしました。しかし、あまりネットの情報からは男鹿での暮らしが見えてきませんでした。

地域おこし協力隊についての記事もいくつか読みました。3年前はそれほど協力隊のことを書いてる人も少なかった気がします。その中でもとあるブロガーさんのblogを熟読しました。

 

移住フェア男鹿市相談ブース

今移住してから思うのは、移住フェアに行ったり移住相談窓口に相談に行くことをおすすめします。直接対面相談をする中で、方向性が見えてきたり、他にもいろいろな支援制度を教えてもらえるからです。

 

Q.移住してから自分が変わったなと思うことはありますか?

睡眠の質がかなり上がりました。
最初来たときは、あまりの町の静けさが逆に怖いかも?と感じたことがあったのですが、それは最初だけでした(笑)
あとは、東京で暮らしていた時より寝る時間が早くなりたくさん睡眠を取るようになりました。

高い建物がないので空が近く、広く感じるので空を見上げるようになりました。
 

地域おこし協力隊になって

Q.地域おこし協力隊をおこなっていた時のミッションを教えてください。

移住希望者への相談対応、イベントの企画運営等、移住後のサポート、受入体制のサポート、SNS等を利用した情報発信です。

 

おいでやいなか暮らし移住フェア男鹿市ブース

Q.協力隊になる前となってからのイメージに違いはありましたか?

私は全くなかったです。田舎に行くイメージもついていたこともあり、特にギャップは感じませんでした。

都会でしか生活したことがない人だと、想像以上にアナログを求められることが多いかもしれません。

 

Q.3年間地域おこし協力隊をやってみて1番うれしかったことはありますか?

移住に関するウェブサイトの立ち上げ

自分が調べた時にあまりにも情報がネット上に、まとめられてなかったので任期中にまとめることができればと思っていました。
タイミングよく市のウェブサイトのリニューアルがあり、合わせて移住サイトも作る話があり、同期の佐々木隊員とディレクションを担当させていただきました。
そして、男鹿市移住・定住ポータルサイト『おが住』ができあがりました。

 

男鹿市移住定住ポータルサイトおが住のイメージ

東京FMスカロケ移住促進部

私も同期の佐々木隊員もスカロケのリスナーだったこともあり、任期中に東京FMスカロケ移住促進部に出たいねと2人で着任当初に話しをしていました。
秋田県内では鹿角市さんが出た事があり、鹿角市さんから情報収集をさせていただきました。
そんな時にタイミングよくFM秋田から提案があったこともあり、男鹿市の出演がかない男鹿市サイドの裏方として携わらせていただきました。

 

Q.逆に1番苦労したことやつらかったことはありますか?

ほとんどないのですが、つらいというか、考え方というのは一人一人違うものなので、自分と真逆の考えを持つ人の考えを聞いた時や、先の将来を考えていないような発言や考えを耳にしたときは、残念な気持ちになったことはあります。

 

寒風山から見た男鹿三山

Q.協力隊になるための心構えや、どういう人が協力隊に向いていると思いますか?

私自身協力隊になる前に、ネット上で「協力隊に向いている人」と検索しました。
その内容を見て、いくつか当てはまっているかも?と思ったことはあります。
気になる人はネットで検索してみるといいかもしれません。

協力隊になって思ったのは、TURNSで連載されていた「誰も書かない 地域おこし協力隊のトリセツ」を読むのをおすすめします。
私自身とても勉強になったしすべてが網羅されていると思いました。
読んでみて自分はできそうと思える人であれば向いているのでは?と私は思います。

 

Q.男鹿にきて驚いたことがあれば教えてください。

ごみの捨て方

指定のゴミ袋があったり、段ボールには種類があり、種類ごとにまとめて紙紐で結んで出すなど、、
自分が困ったので、少しでも共有できればと思い、おが住にも内容をまとめました。

男鹿市 ごみの出し方

 

晴れの日が多い

ネットで検索すると秋田は天気が悪いという内容をわりと目にしました。
来てみると男鹿は思った以上に晴れの日が多いなと感じました。

 

家庭菜園のレベルが高い

自宅で野菜を作っている人が多く、私から見れば誰もが農家さんレベルです(笑)
おすそわけをもらうので自炊するようになりました。

 

市内アナウンスが流れる

地震などのサイレンの時はとても驚きました。そのほかに、防災行政無線放送で市内の情報を受け取ることができます。今ではしっかり活用しています。

防災情報メール配信サービス

 

電車に乗る時にICカードが使えなかった

2023年5月27日からJR男鹿線は使えるようになりました!!
しかし男鹿線内で乗降する駅によっては切符よりICカードの金額の方が高くなる駅があるので要注意です。

 

魚釣りで鯛がつれる

地元で子どもの時に小さい魚しか釣ったことがなかったので、船釣りに行った時に多種多様の魚がつれた時は驚きでした。

 

プロパンガスの値段の高さ

秋田に来る前にネット上で、公共料金がアップしたという記事を読んでいたのですが、プロパンガスの月々の高さには悲しい気持ちになります(笑)

 

すぐそこまでという道のりも車に乗って移動

私は3年間、車なしで生活していたので、改めて車社会だなと実感しました。

 

宅配便事情

再配達は時間指定できない場合や集荷受付時間が早かったりと都市での生活とは少し違います。置き配があってよかったです(笑)

・納豆に砂糖
・なんでも寒天にする
・見たことのない鳥がたくさん飛んでいる

しかし、3年住み続ければ、初めびっくりしたことも、生活に慣れていくことで気にならなくなりました!!

Q.男鹿のおすすめスポットを教えてください。

入道崎

男鹿の観光スポットは全部行きましたが、子どもの頃から入道崎から見る景色が一番好きです。水平線を見ていると改めて海の広さを感じ世界がつながっているということを感じます。

 

西黒沢海岸
西黒沢海岸

化石の天然博物館と言われていて、今まで見たことがなかった波で削られて平らになった地形(ミクロケスタ)をみることができます。

 

大瀑
男鹿市大瀑

たどりつくまでの道のりは、森林浴をしながらマイナスイオンを感じることができます。何度か川を渡るので長靴必須です。

 

男鹿半島観光遊覧船「西海岸周遊クルーズ」がおすすめ!

生活していると陸から男鹿を見ていますが、海から男鹿半島を見るのもおすすめです。海からしか見れない滝やスポットが多数あります。

Q.男鹿でお気に入りの食べ物はありますか?

生のわかめ

そもそもわかめの生え方もはずかしながら、男鹿にきて知りました。生のわかめがこんなにも美味しいとは!と驚きました。季節になると道の駅オガーレで買うことができます。

 

あんぷらもち

男鹿の郷土料理で、じゃがいもで作られていますがもちっと食感が大好きです。

 

男鹿梨

都内に住んでいた時に、スーパーでフルーツを買うとはずれと感じるものが多かったのですが、男鹿で買う男鹿梨はどれも美味しく、道の駅で売られるキズモノであっても美味しいです。

 

Q.地元と比べて男鹿のここがいい!と思うところはありますか?

地元は晴れの国岡山といわれているほど晴れが多く、とても暑い場所です。
暑さが苦手な私は、男鹿の気候がとても過ごしやすいです。

あとは、季節をはっきり感じることができるのと、海外のような風景を感じることができると個人的には思います。

 

男鹿市十二桜公園
男鹿市の花 椿

新緑の山々や透き通った海。冬には杉の木に雪が積もる姿がとても奇麗です。
人工物が少ないところが好きでしたが、近年風車が増えてきていることは残念な気持ちになるのが正直なところです。

 

Q.移住を考えている人にメッセージをお願いします。

生活するうえでこれがなければ住めない、苦手なもの、自分に最適な環境というものを改めてしっかり考えたうえで住みたい地域を決めるのをおすすめします。

そして移住フェアなどに参加し情報収集をしてみてください。

いくつか住みたい地域が絞られたら、その地域に実際に訪れ、お試し移住をしたり短い日数の滞在の場合はアテンドしてもらえる環境があれば案内をしてもらうのが一番生活をイメージできると思います。

生活スタイルというのは変わっていくと思うので、私もですが、なんとかなるさ~と思うタイプの人は、力まず深く考えすぎず自分の直感を信じてもいいのではないでしょうか?

 

 

 

この記事に関するお問い合わせ先

企画政策課 移住定住促進班
電話番号:0185-24-9122
ファックス:0185-23-2922
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秋田県男鹿市船川港船川字泉台66-1
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