戦没者追悼式

更新日:2023年11月15日

戦没者追悼式について

男鹿市では、毎年8月20日に戦没者追悼式を開催し、戦争で亡くなった戦没者の方々を追悼するとともに、恒久平和(平和な世界が続くこと)を祈念しております。

開催については、「広報おが」などでもお知らせしております。皆様ぜひご参加ください。

鎮魂の思いを紡いでいくために

戦後80年近くが経ち、昭和から平成、令和へと時代が移り、戦争体験者は急速に減少しております。

市では戦争の悲惨さと平和の尊さを若い世代に伝えていくことが重要と考えております。

戦争の記憶 -受け継がれる想い-

土崎空襲の記憶

高桑 國三さん(88歳、脇本)令和5年11月寄稿

 

私が脇本第一國民学校四年生の夏の夜の出来事であり生涯忘れることができません。

昭和20年8月14日夜10時空襲警報が発表されました。家族を始め町内会の全員が各々の小さな防空壕に入り避難しました。それから2、30分ほど過ぎた頃、午後10時半頃から15日未明にかけて、土崎地区に約4時間にわたり激しい空襲を受けました。

私を始め友達はあまりの熱さに防空壕より出て海岸(男鹿市脇本浜)の土手で、約30キロの対岸に当る、この空襲を見ました。

この空襲は「日本で最後の空襲」と呼ばれております。目標は、当時日本で最大の産油量をあげていた日本石油秋田製油所でしたが、近隣の民家も多大な被害を受けました。

土崎空襲はグアム島を出発したアメリカ軍のB29を中心とした爆撃機約132機が12,048発、953.9tの爆弾を投下、犠牲者は氏名を確認できた一般市民91名、軍人50名、確認できない人を合わせると250名以上を数え、製油所のほか104戸が全焼、及び半壊したといわれております。

空襲は15日午前2時過ぎに終わったようでした。

8月15日正午、天皇陛下のラジオ放送により日本の敗戦と終戦となり新しい日本国を築くべく国民全員で頑張ってきたものと思います。

 

父を亡くして

小野 準一郎さん(84歳、船川)令和5年11月寄稿

 

思いおこせば、私達遺族にはあの空襲警報のサイレンの音が今でも脳裏に浮かんできます。母が寝ている私達子供三人を起こして、小高い丘の上まで一目散に逃げたのです。今思うと空襲から子供を守る必死な母の姿だったのです。土崎の空襲、あの真赤に燃え上がる炎の様は真昼の様でした。「今度は船川だなあ…」と言う母。私達遺族家庭には一生涯忘れることのできない恐ろしい光景だったのです。

思えば昭和16年7月、父に赤紙が来ました。秋田の部隊から戦地に出て、その年の10月に妹が生まれ、姉は4才、私は2才でしたが妹も私も父の顔を知らずに育ちました。

父は南方東部ニューギニア島ギルワ島で昭和18年1月15日、戦闘行軍の際に玉砕され部隊全員生死不明という知らせが終戦の昭和20年の夏に戦死公報とひとつの木箱、その中には遺骨ではなく名札が入っているだけでした。母はあまりの突然の事で夫の死を信じることができなかったようです。

戦後の食糧難の時代を三人の子供を残された母の苦労は並大抵ではなかったようです。

昭和38年から政府による全国戦没者追悼式が行われており、8月15日の終戦の日を記念して、天皇皇后両陛下をお迎えし日本武道館において追悼式が挙行されております。

男鹿市においても市主催で毎年追悼式典を挙行して頂き、心から感謝を申し上げます。

戦後78年を経過しました今、戦没者追悼式がなんであるかを知らない世代、つまり戦後生まれの世代が多い時代になりましたが、私たち遺族は永久に英霊顕彰に努めていきたいと思います。

 

男鹿市遺族連合会からのメッセージ

戦後80年近い歳月が経過しました。私たちは豊かな郷土男鹿半島一円での男鹿市で、平和と繁栄の恩恵を心から享受しております。

しかし、それゆえに私たちはこの平和の尊さ、有難さは全て御国のために散華された皆様のお陰であることは忘れてはなりません。

私たちは、いま一度戦争の悲惨さを心に刻み、平和の大切さを認識し、尊い犠牲の上に今の私たちがいることを、未来を担う次世代に伝えていかなければなりません。

それが、今を生きる私たちに課せられた責任でもあり使命でもあります。

 

令和5年11月 男鹿市遺族連合会会長 高桑 國三

市内にある忠魂碑

忠魂碑とは、戦争における郷土出征の戦没者(男鹿市から戦地に行き亡くなった方)を偲(しの)んで建立された石碑です。

(平成十九年三月三十一日発行 一般財団法人秋田県遺族連合会「忠魂」より)

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